アウトセット建具

アウトセット建具ってなに? 建築用語辞典

間取りの打ち合わせで、設計担当から「ここは壁の関係でアウトセットにしましょう」と言われていませんか?

アウトセット建具は、新築時でも「どうしても引き戸にしたい場所」を解決してくれる便利な存在ですが、一級建築士の視点で見ると、安易な採用は後悔の元です。

普通の引き戸とは全く異なる「音漏れ・隙間・家具配置」の落とし穴について、実務目線で忖度なしに解説します。

アウトセット建具とは?

通常の引き戸が「壁の中に引き込む」のに対し、「壁の外側にレールを付けてスライドさせる」タイプのこと。

設計側からすると、耐力壁(外せない壁)があっても引き戸にできるので、間取りの救世主。でも、施主側からすると「思わぬ落とし穴」が多い建具でもあります。

アウトセットのメリット・デメリット

項目メリットデメリット(要注意!)
工事の楽さ耐力壁など、構造上引き込みができない壁でも引き戸にできる壁と扉の間に5mm〜10mmの隙間ができる。
間取りの自由どこにでも設置できる。扉が動く壁面にスイッチやコンセントが置けない
コスト比較的安価に引き戸化できる。扉の厚み分飛び出すので、廊下等は有効幅が狭くなる

建築士が教える「ここに採用すると後悔する」場所

  • トイレ・脱衣所(絶対NG): 隙間から音とニオイが漏れます。家族間でも気になります。
  • 寝室: 廊下の光が隙間から漏れてきます。
  • 子供部屋: プライバシー(音)が保てず、将来的にクレームが出る原因に。

失敗しないための「チェックリスト」

採用するなら、必ず設計担当にこれを確認してください。

  1. 「有効開口」は何cm確保できているか?(扉の厚み分、廊下が狭くなっていないか。外に扉が付くため、廊下の幅が実質3〜5cm狭くなります。大型冷蔵庫や洗濯機の搬入経路になっている場合は致命的です。)
  2. ソフトクローズ機能は付いているか?(隙間がある分、勢いよく閉めると音が響く)
  3. スイッチ・コンセントの「消滅」(扉がスライドする先の壁には、スイッチやコンセントが付けられません。「あ、ここにルンバの基地を作ろうと思ってたのに!」という新築あるあるを防ぎます。)

一級建築士が教える「新築ならこう交渉して!」

  • 「アウトセットにするくらいなら、壁の位置を10cmずらして普通の引き戸(引き込み)にできませんか?」
  • 「どうしてもアウトセットなら、せめて上吊り式にして床にレールを付けないようにして!」

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